往来物手習い

むかし寺子屋では師匠が書簡などを元に往来物とよばれる教科書をつくっていました。
寺子屋塾&プロジェクト・井上淳之典の日常と学びのプロセスを坦々と綴ります。


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8/29 NPO座談会の内容

8/24の記事でふれたのですが、三重銀行の系列会社で地域シンクタンク的存在である(株)三重銀総研が発行するクライアント向け季刊誌「MIE TOPICS」がこの10月で50号を迎え、NPOの特集を組むことになりました。

その中で、三重県のNPO関係者が出席する座談会の企画があって招かれ、8/29にその収録が行われたのですが、このたびそのゲラ原稿が上がってきました、

こうしたNPO特集を組むことに現れているように、三重銀行はいま、この地域の経済界では、CSR(企業の社会的責任)推進の最先端を走っている存在と言ってよいと思います。

座談会の全体の流れとしては、各自の活動紹介、NPOの社会的認知度、企業にとってNPOがどんな存在か、NPOが地域に根付いていくためには、企業とのコラボレーションという視点が重要で、そうしたコラボレーションはどうしたら実現できるか、というような話題が中心だったのですが、そこでどんな話をしたか、私の話した部分を以下ご紹介します。

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三重トピックス第50号(2007/10発行)
「NPO座談会 ~NPOが地域に根付くために~」

●NPO活動を始めたきっかけ、活動状況について
自発性と日常生活の視点を意識した学びの場を提供(井上)
井上:私は、25歳から32歳まで小中学生対象の進学塾で専任講師をしていました。成績は上がっても、一方で勉強は塾でするもの、先生に教えてもらうものという習慣が身に付いてしまい、自分で学ぶ力が失われていることを感じました。そのようなことから、子どもの生きる力につながる学びの環境づくりに問題意識を持つようになり、塾に来て成績が飛躍的に伸びる子は、自ら進んで塾に来ている子だったことから、自発性が人間の育ちや学びに大きな影響があるという仮説を立てたのです。
では、自発性に富む子どもは、どうしたら育つかということで、進学塾の仕事にピリオドを打ち、自分なりの教育を実践する旅が始まりました。1994年に自宅の一室を教室にして、日常生活の視点に立った学びの場づくりを始め、その教室を拠点に様々な市民活動のお手伝いをするようになりました。
なかでも「らくだメソッド」など、自分の課題を発見し、学習を日常化できるゲーム型教材に着目しており、「会社ゲーム道場」という会社経営をシミュレートした研修会には、企業関係者だけでなく、主婦、学校の先生、NPOなど様々な方が参加されています。


●NPOに対する地域の認知度、理解度について
NPOは組織経営面で一般の企業と変わらない(井上)
井上:日本には、非営利で公益的なことを民間人が行う風土はかなり昔からあったようです。それが、10年ほど前に突然のようにNPOという言葉が登場したことで、却って特別な存在であるかのような印象を与えてしまったように感じます。そうしたことからNPOの理解が、一面的で部分的な理解にとどまっている気がします。
もちろん、10年前に比べれば認知度は格段に上がって、今ではNPOという言葉を知らない人はさすがに少なくなりました。しかし、NPOは何なのかと具体的に尋ねてみると、その多くはイコール「ボランティア」なんですね。確かに、ボランティアという要素はNPOの重要な部分ではあるのですが、それが全てではありません。例えば、組織経営を考えた時は、一般の企業とそれほど変わらない要素を事業型のNPOは持っていますし、この辺りの理解がもう少し進めば、NPOの活動についても理解しやすくなるのではないでしょうか。

齋藤:組織経営を考えた場合、NPOも一般の企業と変わらないという点は、企業のNPOに対する認識・理解不足があるかもしれませんね。


●NPOと企業のパートナーシップについて
パートナーシップに不可欠な「知り合う」ことの大切さ(井上)
井上:田部さんの「地域で育つ子どもたち」というお話しを伺い、ともに共有できる具体的なテーマ、解決すべき問題を持つことが地域づくりには重要であると思いました。そして、そのためにはまずお互いがよく「知り合う」ということが必要です。
先ほどの認知度の話にも通じるのですが、自治体職員のNPO研修会で、知っているNPOの名前を書いてもらうと、大体の方は2〜3個で筆が止まります。つまり、NPOという言葉を知っていても、具体的なイメージが伴っていないのですね。これは、参加の場や知り合う機会がなかったことが理由だと思います。一番良いのは実際にNPOに参加されることなのですが、何も接点がないのにいきなり参加するのは心理的抵抗もあると思いますので、接点やチャンスを広げていくことが大切でしょう。
また、その際に、企業の方が活動に参加されるとどのようなメリットがあるかを、NPOの側からきちんと伝えていく必要がありますね。


●NPOが地域に欠かせない存在になるためには
NPOの情報公開が企業との信頼関係構築の第一歩(井上)
井上:まず、専門性を高めることは、欠かせないでしょうね。また、私自身も十分できていない部分がありますが、お互いを知り合うためには、NPOの具体的な活動のプロセスをきっちりと公開していき、透明性を高める努力が必要です。また、日本の市民活動やボランティアの世界は、内へ内へと向いている傾向があり、外へ向けての発信がまだまだ十分でないような気がします。したがって、自分たちがどういう思いでどのような活動をしているのかについて、自分たちだけが分かるような独りよがりのものではなく、相手を意識した伝わる表現手段を使って発信していくことが、信頼関係を作っていく第一歩だと思います。そして、知り合って実際に活動をして、地域社会を一緒に作っているのだという一体感みたいなものが持てる機会を増やしていくことが大事なのではないでしょうか。

posted by 23:56comments(0)trackbacks(0)pookmark


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