往来物手習い

むかし寺子屋では師匠が書簡などを元に往来物とよばれる教科書をつくっていました。
寺子屋塾&プロジェクト・井上淳之典の日常と学びのプロセスを坦々と綴ります。


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映画「降りてゆく生き方」を観てきました

今日は午後から映画「降りてゆく生き方」の上映会が名古屋駅前のウィンク名古屋でありました。

8月に半田で行われた愛知県最初の上映会には残念ながら参加が叶わず、今回やっと観ることができました。

まず、開会にあたって、今回のイベント主催者である「東海・北陸コミュニティビジネス推進協議会」代表・関戸美恵子さんが、なぜ、この映画の上映会をこうした会が主催することになったかについて15分ほど、少し長めの挨拶をされました。

続いて、映画のプロデューサーである森田貴英さんが、ビデオ映像を交えながら、この映画がどのような経緯で出来たかについて30分ほど話され、10分の休憩を挟んでいよいよ映画の上映(1時間45分)という風にすすみました。

映画のあらすじについては、ネタバレになってしまうので、ここに詳しく書くという無粋なことはやめておきますが、清水義晴さんの著書「変革は、弱いところ、小さいところ、遠いところから」(太次郎社)に書かれている内容が、映画のいろんな場面に反映されていましたので、映画のことを詳しく知りたいと思われた方は、まずこの本を読まれるのが良いように思います。

もちろん、映画の成り立ちや背景のことを全く知らない人が観ても感動し楽しめる映画であることには変わりないのですが、いまの社会の中で、新しい生き方を模索しようとしている人たちが全国に存在していて、そうした一人ひとりの思いや実践をていねいに重ねあわせ、紡ぐことによってできたストーリーだということは、ぜひ知ってほしいものです。

ところで、私がこの映画のエグゼクティブ・プロデユーサーである新潟の清水義晴さんと初めてお目にかかったのは1992年の秋に点塾で行われたシステムキャンプで、17年前に遡ります。べてるの家のことを私に紹介して下さったのも清水さんでしたし、この間に私が清水さんから学んだことは、計り知れないほどの大きなものがあります。

まだまだ清水さんの足元には及びませんし、気がつくといつのまにか、上ろう上ろうとしてしまう私にとって、「降りてゆく生き方」の実践はけっして易しくないのですが、それでも清水さんから学んだことを手がかりに、この17年間は、微力ながら「持続可能な地域づくり」の実践を続けてきたつもりです。

そんな私ですから、映画の後半で、車いすの清水さんが奥さんの由美子さんと一緒に登場され、「物事は何でも一人からはじまります」と話されるシーンにウルウル来てしまいました。

また、新潟県内には知人が多く、松之山町の棚田や点塾など、実際に訪れたことのある風景がところどころ立ち現れ、映画を観ながらフラッシュバックというか、過去の自分の体験が思い出されてきました。

点塾のワークショップのシーンでは、べてるの家の向谷地生良さん森を作った校長・山之内義一郎さんなど、私の知っている人たちがエキストラで登場されていたのですが、「降りてゆく生き方」の映画自体はフィクションでありながら、私自身にとってには非常に個人的なつながりのある人たちから、リアル感の伴ったメッセージが伝わってくるという、とても不思議な感覚でした。

それは私自身にしか味わえない、非常に個別の体験ではあるのですが、そもそも映画というものは、100人いれば100通りの見方がありますし、スクリーンがその人の個人的体験や生き様を映し出すものなのでしょう。


それにしても、自分自身の過去を振り返ってみて、どうも私は若い頃から「降りてゆく生き方」を自ら選んだ人に強い関心を持ってきたようで、今回の映画を観て、そのことに改めて気づきました。

たとえば、20歳のときに書物で出会って感動したインドのJ.クリシュナムルティという人は、3000人以上も信者が居た宗教団体を自ら解散し、教祖から降りてしまった人でしたし、18歳のときにコンサートで演奏を聴き大きな衝撃を受けた音楽家・高橋悠治さんは、世界に通用するようなピアニストの才能を持ちながら、そうした路線に乗っかることを好まず、自ら外れて生きている人なのです。

随分前の記事にも書きましたが、歌舞伎役者の孫という血筋も影響しているかもしれません。

かぶき → かぶく → 傾く → 傾いた → 変わった → 正道を外れる

ようするに天の邪鬼というか、ありきたりの道を歩くのが嫌いで、正道を外れていくことに快感を覚える、単なる「変わり者」「変人」だということでしょう(笑)。

・・・てな具合で、このテーマだったら、たぶん一晩中でもしゃべって居られるぐらい、とめどもなく言葉が溢れてきますし、収拾が付かなくなりそうなので、そろそろこのあたりで打ち止めにしておきます。

あと、来年4/10(土)にNPO玄米おむすびの会主催で、名古屋市青少年文化センター「アートピア」(名古屋市中区栄)にて名古屋で2回目の上映会を行うことが決定したと発表がありました。

今回残念ながら見逃した方は、今から予定表にチェックを入れておいて下さいね。
posted by Akinosuke Inoue 23:55comments(0)trackbacks(0)pookmark


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