往来物手習い

むかし寺子屋では師匠が書簡などを元に往来物とよばれる教科書をつくっていました。
寺子屋塾&プロジェクト・井上淳之典の日常と学びのプロセスを坦々と綴ります。


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サカモトの新アルバム async を聴いています

坂本龍一async


今日で4月もおわりですね。

こちらの記事に書いたように、2月は体調が下降し、
3月になった頃には何とか復活はしたものの、
不調時のしわ寄せが結局4月になっても尾を引いてしまい、
バタバタと余裕のない1ヶ月間でした。

坂本龍一が3/29に‘async’をリリースしていたことも

オランダに留学している長男がfacebookメッセージで、
「サカモトが新しいアルバム出したんだけど買った?」

って送ってくるまで、まったく気づかずにいました。
 

 

前作の‘Out of Noise’でも、ピアノで演奏される3曲のうち

To Stanfordを除いた2曲を含め

「楽曲」というより「環境音」のような作品ばかりだったんですが、

今回のアルバムにはピアノ演奏の曲は1曲もなくて、

前作よりさらに「音」という存在そのものに

近づいていくような感じといったらいいでしょうか。
 

 

まあでも、そんな理屈はともかくとして、

音楽はそんなふうにアタマで理解するものでも、
言葉で説明するものでもないので、

とにかく聴いて身体で感じることですね。
 

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
 
【収録内容】
01. andata アンダータ
02. disintegration ディスインテグレーション
03. solari ソラリ
04. ZURE ズレ
05. waiker ウォーカー
06. stakra スタークラ
07. ubi ユビ
08. fullmoon フルムーン
09. async アシンク
10. tri トゥリ
11. Life, Life ライフ、ライフ
12. honj ホンジ
13. ff エフエフ
14. garden ガーデン


 
●坂本龍一自身によるライナーノートより
 

ミキシングとマスタリングを残してぼくのやるべき事が
終わったとき、つまりアルバムが完成したと言える時に思ったのは、
「あまりに好きなので、誰にも聴かせたくない」ということ。

正確に言うと、アルバムは完成したのではなく、ここまでに
しておこうというタイミングを計って筆を下ろしたのだ。
一筆書きの良さが、上から色をつけたり余白を埋めたりして
いるうちにどんどん失われていき、それに気がついて、
重ねたものを剥ぎ取っても、すでにそれが初めにもっていた
アウラは失われている。今回のアルバム制作では非常に神経を
とがらせて、それぞれの曲の筆の下ろしどころを見計らっていた。

 

 

この8年ぶりのソロアルバム‘async’を作るに当たって、
ただぼくが今聴きたい「音/音楽」を作りたかった。

しかし、今、ぼくはどういう「音/音楽」が聴きたいのだろう。

 

 

2014年にアルバム制作の準備をしていたが、病気の発覚で中断。
当時書いていたスケッチなどは全て廃棄し、ゼロから始める。

ぼくは何を聴きたいのか。真っ白い、大きなキャンバスを前に、
どこからアプローチしたらいいのか。

 

 

・朝、起きてすぐ、頭で鳴っている音を
 アナログ・シンセサイザーで表すこと。

 

 

・バッハのコラールを、薄霞のかかった音色に
 アレンジすること。まるで規則のないように
 見える霧の動きのなかから、
 厳密な論理が姿を見せてくるように。

 

 

・事物(もの)の音を収集すること。
 

 

・環境音を収集すること。
 雨の音、廃墟の音、雑踏の音、市場の音、、

 

 

・一つのテンポにみなが合わせるのでなく、
 それぞれの音/パートが
 固有のテンポをもつ音楽を作ること。


async

posted by Akinosuke Inoue 22:55comments(0)trackbacks(0)pookmark


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