往来物手習い

むかし寺子屋では師匠が書簡などを元に往来物とよばれる教科書をつくっていました。
寺子屋塾&プロジェクト・井上淳之典の日常と学びのプロセスを坦々と綴ります。


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むかし書いたコラム記事から(その7)

風景入通信日付印サンプル.jpg

 

第7回「夢をかたちにするNPO」

私は小学校1年生のときから郵便切手を集め始めたために、郵便事業については、知らず知らずのうちにいろいろ詳しくなってしまい、一部の人からは「郵政省の回し者」(笑)と呼ばれていました。たとえば、全国どこへでも、金額に関わらず15円の手数料でお金を送金する方法があるのですが(註:民営化された際にこのサービスは廃止され現在ではありません)、このことは郵便局の局員さんでもときどき知らない人がいて、私が逆に説明(?)したりしています。
それはさておいて、大きな郵便局や名所旧跡などのある地域の郵便局には、そうした風物誌等を収めた「風景入通信日付印」という絵入りの消印があります。
私がこれに関心を持ち始めたのは中学校2年生の頃で、当時は2000局ほどで使われていたのですが、その消印を集めるにはいくつか方法があります。
まず、正攻法では、実際に置いてある郵便局を直接たずねたり、郵便で頼んだりする方法がありますが、これは交通費や郵送費が結構かかり、中学生の身分では自分の自由になるお金は限られていて現実的ではありません。

また、お店で買うという手段もありますが、やはり高価でしたし当時は風景印集めはマイナーな趣味だったので、どこでも売っているというものではありませんでした。
一番安価にやるためには、風景印を集めている共通の目的をもった友達を探してお互いに交換すればいいのです。

でも、当時私の身のまわりにはそのような友達はほとんどいませんでしたし、そうした会もありませんでした。

それで、『スタンプマガジン』という月刊雑誌に風景印の交換ができる文通相手募集の記事を出したのですが、それが掲載されたことがきっかけとなって、いろいろな人とのつながりが自然に広がって行き、それから約1年後には、私は70名を越える“全国風景印趣友会”の代表になっていました。
これが私にとっての“NPOの原体験”といえる話です。

「NPOとは何か?」と問われたとき、いろいろな答え方ができると思いますが、「民間非営利団体」と言ってみてもただ言葉の意味を翻訳しただけで、それだけでは何が何だかわかりませんから、私はまず、「自分のできるところからスタートして、一人ひとりの夢や思いを“かたち”にして実現するためのしくみなんです」と答えるようにしてきました。
NPOとは、“幸せの青い鳥”のようなもので、実はあなたが気がつかないようなの身近なところ、ふだんの日常生活の中にあるものなのです。(2000.2.20)

posted by Akinosuke Inoue 16:12comments(0)trackbacks(0)pookmark


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