往来物手習い

むかし寺子屋では師匠が書簡などを元に往来物とよばれる教科書をつくっていました。
寺子屋塾&プロジェクト・井上淳之典の日常と学びのプロセスを坦々と綴ります。


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むかし書いたコラム記事から(その28)

第28回 「キレない子どもに育てるには?」

先日、学校教職員と小中学生の母親を対象としたある研修会に助言者として参加する機会がありました。
「思春期の子どもの心の健康」と題した40人ぐらいの分科会
でしたが、5〜6名ぐらいのグループに分かれてのディスカッションが中心になっていて、私はその素材を提供するということで、今までやってきたことや、今していることを30分ほどお話しさせて戴きました。
私の話がどれだけ役に立ったのかわかり
ませんが、その場で皆さんから出された質問やグループでの議論の様子を聞いていて気になったことがひとつありました。
このような会に参加される方は、教育について熱心な方が多く、たとえば、「キレない子どもに育てるにはどうしたらいいのでしょうか?」というような質問をされるのですが、皆さん熱心なあまり正解を性急に、それも自分ではあまり考えずに他人から得ようとされるのです。
そのようにお尋ねになる気持ちはよくわかるのですが、もし
そういう方法があるのであれば、逆に私がお聞きしたいくらいで、教育というのはそもそも人と人との関係の中での営みですから、万人に共通するマニュアルや解決策は、残念ながら存在しません。
だから、教育の問題はあくまで個別に考えることが基本で
す。
一般論的な話は実用的ではありませんし、他人の話も参考程度にとどめておくの
が得策かと思います。
最近よく「親が変われば子どもも変わる」という言葉を耳にしますね。
確かに子ど
もは親の影響を大きく受けますが、そればかりでもありません。仮にどんなにダメな親であったとしても、子どもが「あんな親にだけは絶対なりたくない」と思ってくれたら、教育としては成功したことになるんじゃないでしょうか。
まあ、今のは極論かもしれませんが、どこかに必ず正解があるという思い込みをもつと不安になりますね。
だから、まずは、その思い込みや不安から自分を解放するこ
とです。
実は正解は、自分の外側にはなくて内側───つまり、「私にとっての課題は
何か? 目の前にいる子どもにとっての今の課題は何か?」と問うことからしか見えてきません。
答えを外側に求めることをやめ、最初からうまくやろうとせずに自分なりにやってみる。
そして、うまく行かなかったら改めてみる……結局は、この積み重ねしかないと思いますがいかがでしょうか?
この話もマニュアルにしないで下さいね。(2000.9.29)
posted by Akinosuke Inoue 09:16comments(0)trackbacks(0)pookmark


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