往来物手習い

むかし寺子屋では師匠が書簡などを元に往来物とよばれる教科書をつくっていました。
寺子屋塾&プロジェクト・井上淳之典の日常と学びのプロセスを坦々と綴ります。


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むかし書いたコラム記事から(その32)

第32回「おいしく、たのしく、ありがたく」

先週の水曜日、桑名市コミュニティプラザで、自然食料理研究家・船越康弘さんのお話を伺う機会がありました。

船越さんは1986年に岡山県川上町に民宿「百姓屋敷わら」を開業。

岡山駅から車で1時間以上かかる山奥にもかかわらず、自然食でもてなす数少ない民宿として全国からファンが訪れ、最盛時その数は年間3000人を超えていました。

しかし、船越さんは、そこに甘んじることなく新たなステージへと、民宿の経営を他の人に預けて2年前にニュージーランドに移住。

年に2度ほどは日本に帰って各地をまわり、講演されています。

船越さんの話はとてもわかりやすく、単純明快です。

ご飯をたべよう、食べ物に感謝しよう、よく噛んでたべよう、おなかがすいたらたべよう、朝は早く起きよう、笑顔を絶やさないようにしよう・・・いずれもお金がかからず、誰でもすぐに実践できることばかりです。

眉間にしわを寄せ、「玄米」「無農薬」とシャカリキになるのはやめよう。

お昼のTV番組司会者Mさんにそそのかされ、次々と宣伝されるものを買い求め、やれ、「クロレラ」だの「朝鮮人参」だの「酵素」だのと健康食品を追いかけるのはやめよう。

健康になるためにたくさんのお金は必要ない、「自然食」というのは、玄米や無農薬、無添加のものを追い求めることではないし、何よりおいしくなければいけない、というのが船越さんの持論です。

おいしさや外見を犠牲にしている自然食や健康食が多い中で、船越さんが作られる料理はおいしいだけでなく、器選びや盛りつけなどに細かい配慮がなされています。

何事もやっていてたのしいことでなければ続きません。

私が船越さんと初めてお会いしたのは9年前のことでした。

以来何度もお話を伺う機会がありましたが、いつも感心し共感するのは、狭い世界に安住せずに常に外側に視点を向け新しいチャレンジをされていることです。

そして、何よりも船越さん自身が毎日を本当に楽しく生きているんだ、ということが実感として伝わってくることです。

また、船越さんのお話には「こうすれば必ず幸せになる」「私を信じれば救われる」といった押しつけがましいところがほとんどなく、私自身も大事にしたいと思うことです。

今までの体験や経験から得た確信を語りはしても、それを聞いた人々がどう受け止め、どう役立たせるかは自由で、「結局はあなた次第なんですよ」という姿勢を崩しません。

おいしく、たのしく、ありがたく・・・あれやこれやと考えすぎるのはやめにして、これからはシンプルに生きてみませんか?

※今回の記事で「むかし書いたコラム記事から」シリーズは終了です
posted by Akinosuke Inoue 22:28comments(0)trackbacks(0)pookmark


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