往来物手習い

むかし寺子屋では師匠が書簡などを元に往来物とよばれる教科書をつくっていました。
寺子屋塾&プロジェクト・井上淳之典の日常と学びのプロセスを坦々と綴ります。


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塾生が書いたblog記事から

塾の先生が講義をされている大学でのファシリテーター養成講座(第2回、第3回)の振り返り

 

昨日は愛知淑徳大学の長久手キャンパスと星ヶ丘キャンパスにて寺子屋塾の先生が講義をされている「ファシリテーター養成講座」にアシスタントとして参加しました。

今回は前回のインタビュゲームの実施に続き、インタビュゲームのカードのまとめからはじまり、ペア同士でカードの内容の確認、グループ内での読み上げ共有、グループ内で代表を決めまず自由な意見交換をするという順番で講義前半は構成されていました。

講義の後半は、先生からのブレーンストーミングの説明にはじまり、インタビュゲームを体験しての主にコミュニケーション面での気づきを各個人10枚を目標に付箋に書き出した後、グループ内で共有し話し合い、大事と思われる付箋を5つ選ぶ、というカード集類法体験実習のワークを行いました。

グループ間の発表は次回10/19に、これまでの講義の振り返りと第5回に実習するプログラムの説明と併せて行われる予定です。
今回の振り返りは、先生が学生が講義の振り返りをするために作成されている「リアクションペーパー」の項目に従い書いてみたいと思います。
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第3回 ブレーンストーミング実習(インタビュゲームのふりかえり)
*第2回、第3回の授業はひとまとまりのものです。第2回の感想も含めて記述すること

1、私が学んだことは?
◎ファシリテーターにとって講義の構成などのコーディネーターの能力もとても大事
今回は大学での講義だけではなく、寺子屋塾で講義の構成の意図を先生から教わっていました。これまでの講座からの気づきを活かし、「学生たちにインタビュゲームなど体験学習を自分からやってみたいと思ってもらえるかどうかが大事」というお話を伺い、講義の構成や説明文に深い意味が込められていることを知りました。
今回大学の講義で先生は内容の説明や観察、ワーク中に学生に必要最低限の声掛けをしているように思えました。
「こうしなさい」と指示を飛ばさなくても場が自然とでき学生たちがワークをするたびに変化していくことが印象的でした。
教える訳でも強制するわけでもましてや叱る訳でもないのに人は動くことを体感することができました。

◎参加する人のことを理解した目的の設定、構成、働きかけの大切さ
寺子屋塾で先生が「学生たちは自分がうまく人に話を聞けるかなどをすごく気にしている」「今回20分人の話を聞き続け、一枚のカードにまとめたという、人生初めてのことを自分がやり遂げたということに自信を持つことがまず大切」ということを話されていたことが印象に残っています。
そして過去には20分間人の話を聞くことができず落ち込んでしまった人もいて、今回の講義では説明文などにそうした人が出ないように工夫してあるということでした。
上記の学んだことにも書いてありますが、まずはインタビュゲームなどの体験学習を学生が興味を持ち、自発的にやってみようと思えることが大切なことです。
そのための構成と説明書きなどにもある細やかや配慮、相手に伝わる言い回しや情報量、声のトーンや表情などファシリテーションとは、あらゆる次元で総合的に行うものだと思いました。

◎インタビュゲームがなぜ大切かという理由について
インタビュゲームをすることによって、そしてペアだけでなくグループでカードの内容を読み上げシェアすることで学生ひとりひとり、ペア、クラス全体の雰囲気が一変します。
今回グループワークでの進行役を決めましたが、進行役が頑張らなくとも参加者ひとりひとりが人の話を聞く大切さ聞いてもらえる喜びを体験として学ぶことで対話が成立し、場がスムーズにひとつの生きもののように「グループで大事なインタビュゲームに関する気づきの付箋を5つ選ぶ」目標に向かって働き出すのです。
先週のブログではインタビュゲームの心理面の作用について書きましたが、今回はワークの進行という実務的な面でもインタビュゲームが抜群の効果を発揮することを目の当たりにしました。

2、私が気がついたことは?
◎吉本さんの心のとらえ方を活用し関わる人や場を理解する大切さ
今回、星ヶ丘キャンパスでの講義前の昼食の時に、先生が吉本さんの本の内容の話をしてくれました。
そのことにより吉本さんの人の心に関する考え方を頭に浮かべながら講義に参加できました。
インタビュゲームの内容の共有や感想を話すグループワークでは星ヶ丘の学生も活き活きと活発に話していました。
ただ、付箋を選び出すワークでは十分なディスカッションをせずに早々と5つの付箋を選び時間が余っているにも関わらず、説明にある5つの付箋の吟味、検証を時間いっぱいせず早々と終えリアクションペーパを書いているという状況でした。
先生からブレーンストーミングのルールや意義の説明がワークの前にあったにも関わらず、できていたのは大学の先生が参加していたグループひとつだけでした。
ただこれは学生にやる気がないとか楽をしているという次元の問題ではないということが、吉本さんの考え方に照らし合わせるとわかるのです。
午前中の長久手キャンパスは複数の学部の異なる学年の学生が集まるため、共同幻想が成立しづらく低強度になるため、合意形成は簡単にはできないのですが、そのことで共同幻想に逆立する個人幻想が発揮される場面となり、個人の意見が生まれインタビュゲームによって活発になった対幻想による対話によってグループワークが進行していくのです。
長久手のクラスはまさに今回のファシリテーション講座には恰好の学びの場となっているのです。
一方、星ヶ丘のクラスは、同じビジネス学部というところから共同幻想が生じているため、個人幻想を発揮する必要性を失いその場の感情や空気で物事が決まってしまいがちになるのです。
よって対幻想による対話も生まれにくく、インタビュゲームの体験も活かせず、ファシリテーションに関する学びの場として機能しにくい状況が生まれてしまうのです。
付箋に個人の気づきを書き出すまでは、星ヶ丘の学生たちはとても熱心で先生や私への対応の丁寧で礼儀正しい人ばかりです。
ただ吉本さんの心についての考え方を知っていなければ、主観的な思い込みに陥っていたでしょう。
そして主催側としての現状把握、未来予測、要所解明も誤ったものやもっと浅いものとなっていたと思います。
吉本さんの考え方に出会い、学べたことは私にとってとても大きなことであり一生ものの学問であると思います。

◎塾の先生は寺子屋塾や他の講座の時と変わらない
大学の講義で塾の先生がどのようなパフォーマンスをするのか?と考えていたのですが、先生の様子はいつもの寺子屋塾やこれまでの講座と変わらないものでした。
先生がファシリテーターの講座を依頼されるようになったのも塾でのらくだメソッドの指導を10年以上続けていたからというお話を思い出し、私の中でその話の意味が理解できるようになってきました。
決まった答えのないらくだメソッドを扱い、あらゆる理由、目的でらくだメソッドの学習を進める人が集まり、個々のあらゆる状態や悩みに対話で対応することを求められ、場づくりもするらくだメソッド指導者は、まさにファシリテーター兼コーディネーターの力が必要なのだと思います。

◎書くことの大切さ
今回はインタビュゲームカードだけではなく、リアクションペーパーに学生の素直な講義への感想が書いてあります。
それによってその人の声を知ることができます。
それによってその人が講義中に何を感じ、考え、実行しようとしたのか知ることが可能になっていきます。
ワーク中の様子やカードを読むだけではわからないインタビュゲーム中の不安な気持ちなども知ることができます。
そこに学生たちの本音を感じることができリアクションペーパーの大切さを感じました。

◎人間関係こそが学びの源泉
長久手のクラスと星ヶ丘のクラスの違いを目の当たりにし、教師の力量や講義内容そのももちろん大切ですが、人間関係という学びの材料がないと学びに限界があり深まることも困難であることを実感しました。
普段の寺子屋塾やそのイベントでも多様な人がいてこその終わりのない豊かな学習が起きることが見えてきました。
人の学習は人との関係性の中で対象や関係性そのものを学ぶことなのだとわかってきました。
これはこれからの場づくりや私の学習環境、人間関係を考えるうえで大きなヒントとなりました。

3、私が面白いと思ったことは?
◎インタビュゲームをすること、そのグループでの発表によって人や場の雰囲気が一変する
これは上記でも書いてあることですが、本当に学生や場の雰囲気が一変するのです。
星ヶ丘は今回の講義が始まる前から教室の雰囲気が前回の講義のはじめ違いましたが、それも前回のインタビュゲームをしたことによるものだと考えられます。

◎違うキャンパスで異なるクラスで同じ講義に関われること
長久手と星ヶ丘、同じ大学ではありますが、異なる場で異なる学生とその構成による人たちを相手に同じ講義をすることで、ファシリテーションや場づくりでなにが大切か、なにに気をつける必要があるか、など上記の学びや気づきが生まれます。
どちらか一方のクラスだけでは決してここまで学び、気づくことはできなかったでしょう。
今回はこのような機会に恵まれ感謝です。
そして大学側の方にもこの体験をしていただけたらよかったのにと思っています。

◎寺子屋塾の教室を離れ、塾の先生の講義に同行することで先生や寺子屋塾のことを立体的に理解できていく、理解が深まること
今回は大学のキャンパスでの講義という非日常な場面に私も参加し、先生に同行することで、塾の先生が私や塾に通う人たちになにを伝えたいのか、塾でどのような対応をされているのかが、少しずつではありますが見えてきています。これは、寺子屋塾の教室だけでの関係や学習では見えてこなかったことだと思います。

4、私が実行しようとしたことは?
◎講義全体がスムーズに進行できるようなアシスタントとしての働き
講義中は、先生の意図や講義の内容をできる限り理解し、学生の状態も見て場の進行がスムーズに進むように動くことを意識しました。

◎学生ひとりひとりの把握や理解をできる限りしようとした
講義中の観察だけではなく、ひとりひとりのインタビュゲームのカードやリアクションペーパを読み学生を理解しようと意識しました。

5、私にとって難しいと思ったこと、解らなかったことは?
◎自分の緊張を解くこと
慣れない場所や人に会い、人前に出ること人に対応することは緊張します。
学生が緊張しないように働きかける以前に、私自身の緊張との付き合い方がいまだに掴めていません。

6、その他、感想、意見、質問、苦言などどんなことでも自由にどうぞ!
◎本来コミュニケーションをすること、人と関わることが本来嫌いな人はいないのでは?
今回の講座や普段のボランティアで人と関係していると、苦手意識や過去の辛い体験などから人と関係することが難しい人はいても、本来的には人は人と関わりたい生き物であり、歓びを感じる生き物だと思います。
そうした困難さをいかに簡単にしていくかがファシリテーターの役割であることが見えてきました。
そして面白くなれば人は自ら動き深めていけるのだと思います。
posted by Akinosuke Inoue 23:59comments(0)trackbacks(0)pookmark


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